0030. 3年目のObsidian

みなさんどうもこんにちは!きみのぶです!
Obsidian Advent Calendar 2023の4日目、30分遅刻です!

さてObsidianを使うのも三年目に入りました。
この3年でこなれたObsidianの運用や、その中で感じた良さを今回は紹介したいと思います。

フォルダは使わない #

フォルダを使うのはやめました。悩むから
今使ってるフォルダは今までの積み重ねの残骸と、ブログ用の領域、そして添付ファイルのみです。
これによって新規ファイルを作るときのストレスがめちゃくちゃ軽減されてます。思いついたら速攻でファイルを作成。名前付けてるときに似たようなものが出てきたら「どうやら以前書いたことあるようだ」と。超わかりやすいですね。
そのあと、適切なタグをつける。手入力でもいいですし、TagFolderから付けたいタグをD&Dでつけたりします。

そう、ファイルはリンクに加えて、タグで管理しています。これを実現するのが拙作プラグインのTagFolder。こいつはついてるタグをフォルダとして表現して、ファイルを探したり、その課程で類似するノートを見つけることができる優れものです。
最近めちゃくちゃ高速化したので、ちょっとややこしいタグ構成していてもサクッと描画されるはずです。是非試してみてくださいね。

ついでに、リンク構造をツリー化する機能も最近実装されました。

同期はSelf-hosted LiveSyncで #

僕は少し厳しい業界にいるので、安易に外部にデータを保存することができません。そのため、公式のSyncは使えないことになります。でも同期はしたい

これを解決する手段が作れて、なおかつ、それを許す公式が素晴らしいのもObsidianの良い所。そして、僕がそれを解決するために作ったのがSelf-hosted LiveSyncです。

Self-hosted LiveSyncは、CouchDBという「やたら同期が得意なデータベース」とそのJavaScript実装のPouchDBをフル活用して作られています。特に初期は何のひねりも無く使ってました。まぁ同期めちゃくちゃ楽ですしね。
今は超効率化されてます。

このデータベース、マイナーなのですが僕はめちゃくちゃ好きでして、仕事でもたまに使ってるものだったりします。ただ、Self-hosted LiveSyncで使ったのも慣れているから、という部分ももちろん大きいのですが、もう一つ理由があって。

もしサーバー側の実装を自分で書いたとすると、これはコード監査をしないといけなくなります。辛い。これはおそらく我々だけでは無いと思います。そもそもそのスタンスだと、僕以外には公式のSyncを使うのと次元がかわらないのです。それを、「既に存在するOSSを、一切のカスタマイズを行わずに使用すること」で一挙に解決しています。

前述の通り、クライアントとなるプラグイン側で頑張ることにより、今はめちゃくちゃ高速に同期できるようになってます。差分転送は正義。他にも、設定ファイルの同期とか、ファイル履歴とかちょっと便利な機能が色々ついてます。

つい先日、サーバでこのCouchDBに保存されたファイルをファイルシステムに書き出したり、別のCouchDB上のデータベースにコピーしたりするデーモン1LiveSync Bridgeとしてリファインされました。是非一度使って見てください。

モバイルで書く、PCで清書する #

ObsidianもSelf-hosted LiveSyncも、今のところあらゆるプラットフォームで動きます。しかも、Self-hosted LiveSyncはそれ単体で競合の解決もできちゃう。なので「あらゆる端末でちょっとずつ書く」が凄く簡単にできます。

なので、電車の待ち時間、トイレの待ち時間、昼休みの少し余裕のある時間、あらゆる隙間で書き進めることができます。しかも、あらゆる文献にリンクが貼られた状態で。これは実にすごいことです。

おかげで、朝仕事に行く前にリラックスした状態でスマホから昨日のやり残しの振り返りをしつつ、今日やることをデイリーノートにリストアップしたりなんかもできますし、気になったことをザクザク書いておいて、PCに座ってからしっかりまとめるなんてこともできます。ユビキタスじゃあないですか。すごい。

一時期はiOSで悲しい時代がありましたが、今ではそれもほぼ解消し、持ってる全ての端末でノートが書けます。尊いぞObsidian…!

実際に集めてみると、隙間時間ってそこそこの分量があったりします。これを無駄にしない手は無い。これは完全に余談なのですが、最近聞いた情報としてソシャゲーの1回にかける時間ってちょうどこの隙間時間1回分らしいというのがあります。良くできてる。

バックアップ 〜ZIPで頼む〜 #

さてこうして、独自の同期システムで運用してるわけですが、独自であるが故に一つの恐怖があります。それは「データ破損」です。

基本的にはSelf-hosted LiveSyncはリリース前に半日~1日、自分のメインのvaultで検証しています。その時に稀に起こるのがデータ破損です。マジで酷い時にはなんも残らない。結果としてリリースされるLiveSyncは比較的安全になっているので良いことなのですが、僕のvaultは復旧しないといけない

ただこれ、Obsidianなら超簡単なんです。なんと、フォルダをZIPで固めるだけ。しかも中身は純粋なmarkdownファイルです。バックアップ時点から何か変わったとしても、WinMergeか何かで比較して復旧なんてのも容易です。

ちなみにSelf-hosted LiveSyncの場合だと、リモートまで破損しても復旧はそのZIPファイルを全て展開して、redflag2.md2を置くだけ。簡単ですね。

おりしもこのエントリーを書いている時に、Evernoteの実質的終焉を観測しました。僕もヘヴィユーザーだったので一抹の悲しさを感じます。

Obsodianの場合は、その万が一の場合でも、ああいう阿鼻叫喚を感じずにいられるだろう、という安心感をかなりかなり覚えました。

ただもちろんながら、Obsidianにはもっとどんどん発展していってほしいので、積極的に支えていきたいなと思ってます。商用ライセンス然り、catalystしかりで応援しています。

デザインのカスタマイズとか #

最近はあまりに画面をいじるのはやめました。
大きく触ってるのは、ヘディングのサイズとその色合いぐらい。こんな感じです。
screenshot-obsidian-3rd.png

奇抜なテーマを使ったりもしていたのですが、結局書きやすさをかなりサクリファイスする必要が多かったので、Minimal+ちょっとしたスニペットに落ち着きました。これも拙作プラグインScrewdriverでモバイルでも出し入れできるのでオススメです。

あ、デザインのカスタマイズと言えばNinja Cursorも外せませんね。これのおかげでキャレットを見失うことがほぼなくなりました。Ctrlキーを押すと光る機能とかも欲しくなりますね。
界隈ではキャレットのデザインを変更するプラグインとしても活用して頂いてるようです。まぁ、Ninjaなんで何でも頑張ってほしいところ。

軽率に書く #

僕は書きながら考える事にしていて。実のところこれは、書くことを忘れる、考えていた事を忘れるとかそういう低レベルな話なんですが、これが実にObsidianと相性が良い。
というのも、検索がメチャクチャ早いんですね、Obsidian。その上、TagFolderも役に立ちますし、雑にでもリンクを張っておくと「なんかこれ考えたことあるかも」みたいなのに行き当たります。年々考えられる事が減ってきた僕には「Second Brain」が言い得て妙なモノに仕上がってます。秘書もいますしね。
Memosも愛用はしてるのですが、Daily Noteではなく月次で書きたい、とか思ってたら、結局QuickAddに戻って来ちゃったりと、意外とふらふらしています。

しかし、とはいえObsidianを軸にはしつづけていて、これが3年目。3年目というのに、大げんかもせずにずーっとObsidianを使ってるのは、Obsidianがずっと進化し続けているおかげかもしれないです。

これからもObsidianに幸あれ!


  1. 常駐するタイプのツール ↩︎

  2. Self-hosted LiveSyncはこのファイルがあるとストレージからローカル・リモートデータベース両方を再構成します ↩︎